海の近くの酒場。王子は身分を隠して友人たちや酒場の女たちと楽しんでいる。そこへ王子の父である王が現れ、誕生日を迎えた王子に短剣を渡す。「お前もいい年齢なのだから航海という冒険に出るがよい。そしてこの海にいる幻の大クジラを仕留めてこい」と命じる。喜ぶ王子は友人たちと航海に向かうべく決起する。様々な生物が生き生きと暮らす広大な海。甲板に現れた王子一行は幻のクジラの登場に騒然とする。海面から王子の姿を見たマーメイドは一目で恋をしてしまう。イルカの群れを荒らすシャークに向かって王子が銛を投げる。負傷し激怒したシャークは嵐を巻き起こし、王子たちの船は難破してしまう。海に落ちて溺れる王子を助け、岸へと運ぶマーメイド。
浜辺で横たわる王子をマーメイドは心配そうに見つめつつ、胸の高鳴りを抑えられない。王子は朦朧とした意識の中でマーメイドの顔を一瞬見るが、すぐにまた気を失ってしまう。物音がしてマーメイドが隠れると、通りかかった修道女たちが王子のもとに。その中の一人は、実は修道院に教育を受けにきているプリンセスだ。倒れている青年を助ける気がないプリンセスだが、彼の短剣の鞘に付された王家の紋章に気づく。この青年が王子だと悟ったプリンセスは、目が覚めた王子に、我こそがあなたを助けたとばかりに振る舞う。王子は彼女が命の恩人だと信じてしまう。
海中に戻ったマーメイドは王子を想っている。仲間であるクマノミ、サンゴ、ロブスターたちに「恋をしているの」と打ち明ける。マーメイドは海の底に落ちていた王子の短剣を見つけ、王子と人間界への憧れはますます募っていく。父は激怒するが、マーメイドの理解者である叔母が、シャークの元に行けば、人間界に行ける方法を教えてもらえるとマーメイドに伝える。シャークに会いに行ったマーメイドは、声と引き換えに脚を授かる秘薬をもらう。しかしこの約束には「愛が実れば魂を得られるが、そうでなければ泡になってしまう」という条件があった。マーメイドはためらうが意を決して地上へと向かう・・・。